リックロール(Rickroll)とは
実は私も最近まで知らなかったのですが、「リックロール」とは2007年ごろからアメリカを中心に発生したネット上のいたずらのことを言います。
例えばどこかのウェブサイトで「ここをクリックするとセクシーなお姉さんの写真が見れるよ」とリンクが設定してあるとします。そして釣られてクリックすると実際現れるのは、リック・アストリーの”Never gonna give you up”(邦題:ギブユーアップ)のプロモーションビデオ。この曲は80年代真っ只中の1987年発売の曲で、リックや後ろのダンサーのファッション、ダンスなどがモロ80年代。リックロールが流行ったこの時期、このビデオを見た人は20年前のファッションやダンスを見て「ださ〜」っと思いながら、ウェブサイト上に同じようなリンクを仕組んだり、メールで友達にリンクを送って同じ手で人を釣り、いたずらをすることが大流行したのでした。これを見た人は I was rickrolled.(リックロールされた=だまされた)ということになるのでした。もともとは同じ手口で釣るイタズラが掲示板サイト4chan(日本の2ちゃんねるみたいな掲示板サイトです)にあったのですが、この場合はリンクをクリックすると車輪に乗ったカモのおもちゃの写真が現れるダックロール(duckroll)というものでした。
この現象を機に、リックの人気は再炎。本人は1993年27歳の時に引退を決意し、家族との時間を優先する生活に入っていました。その後少しずつ音楽活動をしたり、ベストアルバムを出したりしていた彼に突然降って湧いてきたこの現象。
戸惑う本人をよそに、2008年のエイプリルフールにはYouTubeのトップページの動画が全てNever gonna give you upにリンクされ、リックロールされるという大々的ないたずらがなされました。
そしてなぜかMTV Europe Music Awards 2008でが ”Best Act Ever(史上最高のパフォーマンス賞?かな)”に彼をノミネート、ネット民の大量投票でダントツ1位の得票で ”Best Act Ever” に選ばれたのでした。彼自身はこの受賞をふざけているとして、インタビューなどでこの話題になると、ポールマッカートニーやボノが受賞すべきだったと話しています。受賞が発表された時、彼は授賞式は欠席。会場は白けた雰囲気になり、まさにMTVがリックロールされた雰囲気に。確かにMTVふざけすぎでした。
そして受賞の熱も冷めやらぬ?中、彼は2008年の11月のメイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードの出演オファーを受け、当時アメリカで人気のアニメフォスターズ・ホームのフロートから突然出てきてリックロールするサプライズをしました。フロートでは始め子供達がドラマ ”The Courtship of Eddie’s Father(邦題:エディの素敵なパパ )” の主題歌”Best Friend”を歌っているのですが、突然「あの」音楽が流れ出し、リックが登場。口パクでNever gonna give you upを歌ったのでした。
ちなみになぜ口パクかというとwikipediaによれば「多くの『ライヴ』演奏は、演奏者が主にフロート車の上におりワイヤレス・マイクで音を完全に拾うことが技術上難しいため、録音された口パクである」とのことです。なるほど。
ところでリックロールは日本ではそれほど話題にならなかったのですが、やはり言葉の壁のせいでしょうか。